4 限定承認

 

限定承認はプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続する方法です。この手続きは相続人全員でしなければなりません。

 

相続財産の中に不動産がある場合に故人が取得した時の価格と相続発生時の時価を比較して、差益が発生している場合においては、故人から相続人に売却したものと見做され、故人にみなし譲渡所得税が課税されることになっているために、限定承認者は故人の債務に加え所得税もマイナスの財産として引き継ぐことになります。単純承認していれば所得税を支払う必要がなかってものの、限定承認したばかりに譲渡所得税を負担しなければならなくなります。

限定承認を検討されるときは、税理士に相談される等慎重に進めてください。

 

限定承認者は債権者に弁済するについて、相続不動産を売却する必要があるときは、競売の方法によらなければなりませんが、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従い、その価格を弁済して競売を止めることができます。従ってこの手続きを利用することも可能ではありますが、買取りの現金を準備しなければならないので、実際に限定承認の申述を選択される方は多くはありません。