2 相続人等の調査
相続人の調査は、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍の謄本を取得することによって、故人の相続人を調査することになります。
これは、被相続人に認知した子または前婚との間の子などの存否の確認が必要なためです。仮に前婚において子供が存在していれば、新たな相続人が出現することになりますので、その子供を含めて遺産分割の協議をしなければならなくなります。
さらに、相続人の現在の戸籍謄本を取得することになりますが、相続人がすでに亡くなっている場合には、その者の子供(代襲相続人といいます。)が相続人となります。
1) 法定相続人
第一順位の相続人 【配偶者と被相続人の子】
相続分は配偶者2分の1、子が2分の1です。子が複数いれば2分の1を相続します。子が既に死亡している場合、故人の孫が相続人となります。
第二順位の相続人 【配偶者と被相続人の父母】
第一順位の子や孫がいない場合または相続放棄をした場合には被相続人の直系尊属である父母、祖父母が相続人となります。
相続分は配偶者3分の2、直系尊属が3分の1です。
父または母の一方が死亡していれば、生存している父または母が3分の1を相続します。父母がすでに死亡しているときは、祖父母が相続人となります。
第三順位の相続人 【配偶者と被相続人の兄弟姉妹】
第一順位の直系卑属および第二順位の直系尊属がいない場合または相続放棄をした場合には故人の兄弟姉妹が相続人になります。
相続分は配偶者4分の3、兄弟姉妹が合わせて4分の1となります。
兄弟姉妹がすでに死亡していれば、甥や姪が一代限りで代襲相続人となります。
2)債務の調査
各信用情報機関に個人信用情報の開示を請求します。
・消費者金融系の調査 ㈱日本信用情報機構 (JICC)
・クレジット会社系調査 株シ-・アイ・シ- (CIC)
・銀行系の調査 一般社団法人全国銀行協会 (全銀協)
3)遺産の調査
不動産については、土地・建物や道路持分等の確認は、納税通知書・
名寄せ帳等を取得し、また権利証書等で確認することができます。
銀行預金等の調査については、相続人の方が預金通帳やキャッシュカ
ード等の手がかりになるものを探す方法により、
それらのものが何もなければ近くの金融機関を調査する方法が考え
られます。
通帳がなくても銀行名が判っていればその金融機関に残高証明書を
請求することができます。
ゆうちょ銀行の場合相続人が窓口で残存照会の手続きをおこなって
調べることができます。
有価証券については、証券会社名が判明すれば、必要な調査が可能となります。
他社非上場株式については、株主名簿名義書換の手続きが必要です。